大聖寺の境内・墓地・山林等の敷地は約5ヘクタールの面積があり、照葉樹林・針葉樹林等の豊かな植物相に恵まれています。 その環境の中で多くの野鳥・小動物が生活しています。その幾つかをご紹介します。 |
周辺の環境
境内だけの限られた自然環境だけでは、鳥獣達は生息できません。
●当山の南に霞ヶ浦に流れ込む花室川が流れている。
●穴塚大池という関東平野で唯一残されている100ヘクタールの貴重な原生林が控えている。
こうした条件により、多くの鳥獣達が境内周辺に生息しています。
観察できた鳥類
大聖寺とその半径1キロメートル以内の周辺で、この35年間(1971〜2006)に観察できた野鳥は以下の99種類です。
科
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鳥 名
(太字の鳥名は当山住職撮影の野鳥写真にリンクしています) |
カイツブリ科
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カイツブリ |
ウ科
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カワウ |
サギ科
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ヨシゴイ ゴイサギ アマサギ ダイサギ チュウサギ コサギ アオサギ |
カモ科
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オオハクチョウ コハクチョウ マガモ カルガモ コガモ オカヨシガモ ハシビロガモ |
タカ科
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トビ オオタカ ツミ サシバ |
ハヤブサ科
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ハヤブサ チョウゲンボウ |
キジ科
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キジ |
クイナ科
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クイナ バン |
タマシギ科
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タマシギ |
チドリ科
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コチドリ ムナグロ ケリ タゲリ |
シギ科 |
キョウジョシギ イソシギ ダイシャクシギ チュウシャクシギ タシギ |
カモメ科
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セグロカモメ |
ハト科 |
キジバト |
カッコウ科 |
カッコウ ツツドリ ホトトギス |
フクロウ科 |
コミミズク オオコノハズク アオバズク フクロウ |
ヨタカ科 |
ヨタカ |
カワセミ科 |
カワセミ |
キツツキ科 |
アオゲラ アカゲラ コゲラ |
ヒバリ科 |
ヒバリ |
ツバメ科 |
ツバメ |
セキレイ科 |
キセキレイ ハクセキレイ セグロセキレイ ビンズイ タヒバリ |
サンショウクイ科 |
サンショウクイ |
ヒヨドリ科 |
ヒヨドリ |
モズ科 |
モズ |
ミソサザイ科 |
ミソサザイ |
レンジャク科 |
ヒレンジャク |
ツグミ科 |
ルリビタキ ジョウビタキ トラツグミ アカハラ シロハラ ツグミ |
ウグイス科 |
ウグイス コヨシキリ オオヨシキリ メボソムシクイ セッカ |
ヒタキ科 |
サメビタキ |
エナガ科 |
エナガ |
シジュウカラ科 |
ヒガラ ヤマガラ シジュウカラ |
メジロ科 |
メジロ |
ホオジロ科 |
ホオジロ カシラダカ アオジ オオジュリン |
アトリ科 |
アトリ カワラヒワ マヒワ ベニマシコ イカル シメ |
ハタオドリ科 |
スズメ |
ムクドリ科 |
コムクドリ ムクドリ |
カラス科 |
カケス オナガ ハシボソガラス ハシブトガラス |
外来種 |
コジュケイ カワラバト(ドバト) セキセイインコ ホンセイインコ |
(A) (B)
繁殖を確認した鳥類
カイツブリ・カルガモ(D)・コジュケイ・キジ・バン・コチドリ(B)・キジバト(C)
フクロウ・コゲラ・ヒバリ・ツバメ・キセキレイ・ハクセキレイ・セグロセキレイ・ヒヨドリ
モズ・ウグイス・オオヨシキリ・セッカ・エナガ・シジュウカラ(A)・メジロ
ホオジロ・カワラヒワ・スズメ・ムクドリ・オナガ・ハシボソガラス・ハシブトガラス
(C) (D)
繁殖を確認した獣類
モグラ・ネズミ・コウモリ
最近新たに観察した鳥類
2000年〜2006年にかけて今まで観察したことのないカワウ・ヨシゴイ・オカヨシガモ・ハシビロガモ・ツミ・セグロカモメ・アオゲラ・アカゲラ・ミソサザイ・サメビタキを相次いで確認しております。
年々変化する環境に野鳥が対応しているのでしょうが、アオゲラ・サメビタキ・ミソサザイ・殊にはアカゲラが度々観察されるようになったことは、ここ30年間に渡る境内への植林の効果と考えております。
当山周辺の環境は、山林が次々と住宅地に開発され自然が次第に失われつつあります。そうした要因で、生息する鳥獣類の数は残念ながら減少してきておりますが、ここ3〜4年の当山境内においては、増加傾向にあることは嬉しい限りです。
最近観察できなくなった鳥類
クイナ・タマシギ・ムナグロ・タゲリ・キョウジョシギ・コミミズク・アオバズク・ヨタカ・サンショウクイ・トラツグミ・コヨシキリ
最近あまり観察できなくなった獣類
タヌキ・ハクビシン・ノウサギ・イタチ
以上の鳥獣類は、30〜20年以前は境内及びその周辺で頻繁に確認できていたのですが、今では殆ど観察できなくなりました。
フクロウの幼鳥の死 〜大聖寺の環境保持と周辺の環境変化〜
大聖寺の森では、毎年2・3羽のフクロウの雛が巣立ちしていました。(1985年から観察) ところが、1991年頃より大聖寺裏で住宅地造成工事が開始され、餌場になっていた畑や森が切り開かれてしまい、餌不足に陥ったと思われる雛1羽が1992年7月7日に鐘楼堂脇で餓死していました。(左写真) それ以来1993年から今日まで、フクロウの訪問は度々ありますがその繁殖記録は未だありません。生態系の頂点にあるフクロウの繁殖がなくなった境内は誠に寂しくなりました。 |
オナガの減少とハシブトガラスの増加について
2002年9月15日に境内で20羽のオナガを確認して以来、その数が徐々に減少してきていることに憂慮しております。
山階鳥類研究所に拠りますと、30羽±の群れを維持できないとその群れはやがて絶滅するとのことでありますが、当山境内を30羽以上のオナガの群れが当り前に回遊していた頃が懐かしく思い出されます。
当山近辺で確認された最近のデータは次の通りです。
2003 4/10 9羽 6/8 1羽 6/19 鳴き声のみ 以降年内未確認
2004 4 /15 4羽 4 /22 6羽 4 /30 1羽 以降年内未確認
2005 2/7 声のみ 2/13 6羽 4/2 2羽 4/24 2羽 4/30 鳴き声のみ 5/1 2羽 5/7 1羽
5/13 1羽 5/14 2羽 7/8 1羽 7/9 3羽 10/14 4羽 10/28 14羽 10/29 20羽±
これに対し、ハシブトガラスは年々増加し、2004年現在では四季を通じて当山に塒(ねぐら)を構え、常時30〜50羽が観られる傾向にあります。また多い時は、100羽を上回る数が集結することもあります。(5、6月頃は繁殖の為か分散して数が減少します)
当山境内において、オナガの減少とハシブトガラスの急激な増加はちょうど反比例しており、周辺地域の自然環境バランスの崩壊が大きく起因していると思われてなりません。
比較的多くの自然が残されている大聖寺の環境は、野鳥達にとって今だ生活しやすい所かもしれません。 しかし、周辺の環境がこれ以上破壊され続けていけば、いかに大聖寺の環境が保持されていても、野鳥達はこの境内だけでは生活していけないでしょう。 「人が住めない処に鳥は棲めても、鳥の棲めない処に人は住めません」 私達人間には、周囲の自然や動物、野鳥との共存を図ることを、より真剣に考えなければいけない時期が来ているのではないでしょうか? |
土浦大師不動尊 大聖寺は (財)日本野鳥の会 (財)山階鳥類研究所 法人会員としてその活動を応援しています。 |